実写版『アラジン』の魅力! 原作好きを裏切らなかった現代の技術とイマジネーション

※ディズニーによるステマ謝罪のニュースがありましたが、こちらのブログは全く関係ありません。個人の映画の感想や見解、海外のインタビューを翻訳したものを中心に記載しています。

1992年に制作され、世界的に大ヒットしたディズニー長編アニメーション映画『アラジン』。89年の「リトルマーメイド」から始まったディズニールネッサンス期における、4作目の作品。

誰もが知っているストーリー。レジェンドが歌っている名曲。ものすごく期待値が高いこの作品で、キャスティングや構想にどれほどの時間とイマジネーションが費やされたのでしょうか。
いや、イマジネーションに終わりはありませんでしたね。

あの時代の作品にインスパイアされ、多くの夢や希望を持ったミレニアル世代の一人として、実写版『アラジン』の魅力をお伝えします。

キャスティング

非常に難航したアラジン役のキャスティング。
2017年3月に、アラジンとジャスミンのオーディションが始まり、7月に制作を一ヶ月延期すると発表。
世界中から多様なキャストを募集していましたが、「20代で歌って踊れる中東かインド系の俳優」がなかなか見つからなかったそうです。
ジャスミン役の最後の2人に選ばれていたナオミ・スコットとタラ・スタリアも、アラジン役との相性をテストする必要があった為、最後まで決定されませんでした。

アラジン/メナ・マスード

 

英語での発音は、ほぼ「ミナ」です。
エジプト生まれカナダ育ち。3歳の時に一家でカナダへ移住。
2011年にキャリアをスタートさせ、2017年にアラジン役を射止めました。

アラジン役の募集をインターネットで見て、自ら所属エージェントに連絡。テープを送ってから4ヶ月は全く音沙汰が無く、ダメだと思っていたそうです。
役が決まった時はトロントで撮影中だった為、家族へは実家へ帰り直接報告。

「あれは午前3時頃、母は半分寝てるし半分泣いてるし、父は飛びついてハグしてくれたよ。(アラジンの)ストーリーは彼らにとっても非常に意味のあるものだったから。彼らの文化に関わることだし、アラジンの前には中東系のアニメーションは存在していなかったからね。」

原作に似ていると評判の歌声とキレのあるダンス。
ほぼ無名であった一人の「ダイヤの原石の様な」青年に、映画が終わる頃には夢中になっているはずです。

ジャスミン/ナオミ・スコット

新時代のヒロイン、インド系の血も引くイギリス出身の女優&シンガー。
その美しさ、高い歌唱力、内にある強さで、見事にジャスミンを演じました。

普段はあまりフェミニンな格好はしないそうですが、ジャスミン役を射止める為に、オーディションの服装は “寄せて” 行ったとか。
大きな声で話し、よく笑うナオミ。
彼女と彼女のお兄さんは二人ともアラジンが大好きで、幼い頃はよくアラジンごっこをして遊んでいたそうです。しかし、なぜかいつも配役はアブーだったそうw

ジーニー/ウィル・スミス

一番最初にキャスティングが決まったウィル・スミス。
笑い話にしていますが、ジーニー役の話がきた時は恐かったそうです。

「パフォーマーとしてはこれに挑戦したい、あれがやりたいと思うものだけれど、もうすでに誰かが確立したアイコニックなキャラクターを演じることは恐かった。だから、ロビン・ウィリアムズのことを考えてたよ。彼はもう一段階レベルアップできるような余白を、あまり残してくれなかったからさ。」

日本では七色の声を持つ山寺宏一さんがジーニーを演じたように、アメリカではあのロビン・ウィリアムズが演じています。その確立されたジーニーを誰が演じるかと考えた時、ウィル・スミスが早い段階で抜擢されたのは、彼の実績と才能への多大なる信頼と期待があったからでしょう。

故ロビン・ウィリアムス


「ロビン・ウィリアムズは、このような映画で何ができるか革命を起こしたんだ。だから何度も何度も聴いて、そして、彼の作り上げたものを壊したくないと思ったよ。
曲のパートに取りかかった時、ジーニーの中に自分らしさを見つけたんだ。最初の曲は『フレンズ・ライクミー』だったんだけど、ロビン・ウィリアムズがスタンドアップコメディアンらしさを出したように、僕もヒップホップテイストの部分でフレッシュ・プリンス(ラッパーとして活動していた頃の芸名)らしさを出せると思った。ここでは、原作の価値を失うことなく自分の持ち味を活かせるからね。」

ウィルは、自分に何が期待されているのかを理解し、彼にしか出来ないジーニーを作り上げました。

アレンジ

「意欲的で非伝統的な作品になる」とスタジオが発表したように、この作品はあらゆる面で原作と異なっています。一部では改善されたと言っても良いかもしれません。

音楽はその一つです。
今回、ディズニーで数々の名曲を作り出したアラン・メンケンに、『The Greatest Showman』で「This is me」などを手掛けた作曲家チーム、パセク&ポールが加わりました。

すでに革新的であったオリジナルの「フレンズ・ライクミー」「プリンス・アリー」にヒップホップテイストを加え、ここにウィル・スミスが最高にマッチします。

そしてダンス。
シアターダンスに、ヒップホップやアラビアンテイストをミックスさせているところが、最高にかっこ良く、そのセンスの素晴らしさに感動しました。

一流のものを作ろうとすると、最高の才能が集まるんだと思った瞬間です。

『Speechless』

「脚本が出来上がってきた時に、今回のジャスミンは今までよりもパワフルであることは明らかだったよ。“私には声がある。私は黙ってなんかいない。”と立ち上がって言うような。」

作曲家アラン・メンケン、作詞家ジャスティン・ポール、ベンジ・パセクは、ジャスミンのオリジナル曲を作るにあたり、ナオミの存在が大きかったと言います。

「この歌をナオミが歌うと知り、自信を持ったよ。この曲が持つべき重要さと力強さを、自分たちは書いていいんだって。彼女はそれを表現できる女優だし、それを伝える歌唱力を持っているから。」


Youtubeでの再生回数2.7億回(2021/5/17 現在)


今も昔も、ジャスミンは自立心を持った強く賢い女性です。
でも90年代には、描かれなかった部分があります。
彼女が立ち上がり叫んだことは、より大きな意味を持ち、その歌声は多くの人々に響いています。

ホール・ニュー・ワールド

何百回とオリジナルを聴いています。もし少し劣っていたなら、もし少し期待以下だったなら、このだいぶ大人になってからの高揚感や、内面から湧き起こるポジティブな感覚を感じることは出来なかったでしょう。
世界観も大事ですが、本当にこればっかりは、歌唱力がなかったら魔法は完成しませんでした。

撮影裏話ですが、この魔法の絨毯に乗っているのがなかなか辛かったとのこと。バランスと体幹の強さが必要で、時には絨毯が急角度に傾く事もあったそうです。

まとめ

90年代では黙認されていたネガティブな部分が無くなり、よりパワーアップした印象です。この実写版のようなストーリー展開や価値観は、私たちの価値観も前進しているから描けたのかなと思います。

また、映像の技術的な進歩だけではなく、ストーリーやセリフを改善して時代に沿うものへ変化させ、作品を色褪せないようにする事も実写版や改訂版を作る利点だと思います。

ありがとうございました。


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